東日本大震災(平成23年3月11日発生)において、中小企業の多くが、貴重な人材を失ったり、設備を失ったこ とで、廃業に追い込まれました。また、被災の影響が少なかった企業においても、その結果顧客が離れ事業を縮小し復旧が遅れ 自社の製品・サービスが供給できず、従業員を解雇しなければならないケースも見受けられました。
このように緊急事態はいつ発生するかわかりません。BCPとは、こうした緊急事態への備えのことをいいます。
ただし、突発的な緊急事態がBCPの想定どおりに発生するはずもありません。また、BCPを策定していても、普段行っていないことを緊急時に行うことは、実際には難しいものです。緊急事態において的確な決断を下すためには、あらかじめ対処の方策について検討を重ね、日頃から継続的に訓練しておくことが必要なのです。
BCPを策定する際は、最初から理想を追求し完全なものを目指しても、実現は困難な場合が多く、かえって導入を躊躇することにもなりかねません。そのため、まずは身の丈にあった実現可能なBCPを策定し、そして、それに改善を積み重ね、平常時から突発的な緊急事態への対応力を鍛えていくことが「企業BCP」の真髄であるといえます。
by O
2015/09/03